梅毒とは
性的な接触などによってうつる感染症です。感染から数カ月経つと、手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。小さなバラの花に似ていることから「バラ疹とよばれています。
特に痛みやかゆみもなく、バラ疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合がありじんましんやアレルギー症状と間違えることもありますが、治療しない限り、病原体は体内に残っており、梅毒が治ったわけではありません。
梅毒の症状
梅毒の病状は1期(感染から約3週間)、2期(1~3ヵ月)、後期(数年から数十年)の3段階に分けられます。
1期
感染後3週間ぐらいで、1期の症状として主に陰部や肛門、口などの感染した部位に痛みのない小さなしこりや潰瘍ができたり、股の周囲のリンパ節に腫れが起きます。
2期
感染して数ヵ月後に2期の症状として、血流に乗って全身に広がった梅毒トレポネーマによって全身に赤い発疹やぶつぶつ(梅毒性バラ疹)が現れます。かゆみや痛みは感じないことが多く、数週間で自然となくなりますが、梅毒トレポネーマはそのまま体内に潜伏したままで治ったわけではありません。
後期
治療を受けていない場合、感染して数年後の後期になると、やわらかいゴムのような腫瘍が体中にできます。 この時点でも治療を行わないと全身の臓器に障害が広がり、大動脈瘤、髄膜炎や神経障害(神経梅毒)などが生じ、命にかかわる重篤な状態になる場合もあります。
梅毒の原因
梅毒にかかっている患者の粘膜や皮膚と直接接触することが感染経路となるため、基本的には性的な接触などによって人から人へと感染していきます。
感染後、症状が現れていない状態でも人にうつす危険性が高いです。また、妊娠中の母親が感染していると、胎盤を経て胎児が感染する先天梅毒の原因となります。