粉瘤とは
アテロームとも呼ばれは、一般的に“しぼうのかたまり”と言われることも多いですが、実際は脂肪の塊ではありません。皮膚の下に袋状の構造物ができ、垢や皮脂が袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称です。
実際に脂肪細胞が増殖してできた脂肪腫とは異なるものです。良性の腫瘍ですが、ときに化膿して真っ赤に腫れ上がったりすることがあります。
粉瘤の症状
数㎜~数㎝のドーム状に盛り上がったしこりで、時間の経過とともに大きくなっていきます。
初期の小さな粉瘤は、白色~肌色で痛みや発赤などの目立った症状がないので、ニキビと思っていたものが大きくなり粉瘤であるとわかるケースも多いです。 粉瘤そのものは痛みを伴わない腫瘍ですが、潰すなどの外部からの刺激で感染を引き起こし、赤く腫れ、痛みを伴うことがあります。
これを「炎症性粉瘤」といいます。
粉瘤の原因
粉瘤の原因はわからないことが多いですが、毛穴の詰まりや外傷により皮膚が中に入り込んだことで起きたり、ニキビの痕などにできることもあります。
粉瘤の治療
強い炎症を伴う炎症性粉瘤の場合はすみやかに切開(表面の皮膚を少し切ること)して、膿みを排出し、特に炎症強い粉瘤には、まず抗生物質の内服薬を処方し、数日間服用して炎症や痛みを抑えるような治療をします。
しかしこの段階では粉瘤の原因となる嚢腫は取り除かれていないので再び嚢腫内に角質や皮脂などが溜まって大きくなったり、再度感染した場合は赤く腫れ上がり痛みを伴ったり膿が出たりすることを繰り返す可能性があります。
炎症が収まった後や、赤みや痛みを伴わない粉瘤は、外科的手術によって、嚢腫を取り除くことになります。
通常の大きさの粉瘤ならば局所麻酔の日帰り手術が可能です。
粉瘤治療のよくあるご質問
手術の費用はどのぐらいですか?
部位や大きさによって異なりますが、2㎝未満の比較的小さな粉瘤でしたら5,000円程度です(保険適用3割負担の場合)。
初診・再診料などが別途かかります。
初めて受診した日にすぐ手術してもらうことはできますか?
初診時には、まず症状を確認させて頂き、手術の可否や、手術に要する時間などをご相談させて頂きます。
そして手術の内容や、手術に伴うリスク、手術費用などの説明を致します。
その上で手術日の日程を決定します。申し訳ありませんがよほどの緊急でない限り、初めて受診された日に手術は行っていません。
手術をした後は、どれぐらい通院が必要ですか?
術後の消毒と傷の状態を確認させていただくために、手術をした翌日は可能な限りお越しください。それ以降は術後の状態により適宜通院をお願いします。
手術当日は入浴できますか?
手術当日は極力傷口を濡らさないようにして頂きたいのですが、翌日以降、傷からの出血が無ければシャワーは可能です。