睡眠障害

睡眠障害とは

寝つきが悪い、たくさん寝ているのにスッキリしないなど、いつもの眠りが取れなくなる状態を指します。

睡眠障害の原因はストレスや気分の落ち込み、不安などの心理的要因があります。
睡眠障害にはいくつかの種類がありますのでそれぞれに適した治療が必要です。
睡眠障害は加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加し、男性よりも女性に多いといわれています。

主な症状

  • 不眠
  • 寝つきがわるい
  • いったん眠りについても夜中に何度も目が覚める
  • 朝早く目が覚めてしまう
  • 熟睡できない

健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12箇条~

出典:平成26年3月厚生労働省健康局

  1. 良い睡眠で、からだもこころも健康に。
    ・良い睡眠で、からだの健康づくり
    ・良い睡眠で、こころの健康づくり
    ・良い睡眠で、事故防止

  2. 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
    ・定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす
    ・朝食はからだとこころのめざめに重要
    ・睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする
    ・就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける

  3. 良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
    ・睡眠不足や不眠は生活主幹病の危険を高める
    ・睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる
    ・肥満は睡眠時無呼吸のもと

  4. 睡眠による休養は、こころの健康に重要です。
    ・眠れない、睡眠による休養感が得られない場合、こころのSOSの場合あり
    ・睡眠による休養間がなく、日中もつらい場合、うつ病の可能性も

  5. 年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
    ・必要な睡眠時間は人それぞれ
    ・睡眠時間は加齢で徐々に短縮
    ・年をとると朝型化 男性でより顕著
    ・日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番

  6. 良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
    ・自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる
    ・自分の睡眠に適した環境づくり

  7. 若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
    ・子どもには規則正しい生活を
    ・休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進
    ・朝目が覚めたら日光を取り入れる
    ・夜更かしは睡眠を悪くする

  8. 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
    ・日中の眠気が睡眠不足のサイン
    ・睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる
    ・睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
    ・午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善

  9. 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
    ・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
    ・年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を
    ・適度な運動は睡眠を促進

  10. 眠くなってから寝床に入り、起きる時間は遅らせない。
    ・眠くなってから寝床に就く、就寝時間にこだわりすぎない
    ・眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする
    ・眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

  11. いつもと違う睡眠には、要注意。
    ・睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意
    ・眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談

  12. 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
    ・専門家に相談することが第一歩
    ・薬剤は専門家の指示で使用

睡眠障害の治療

当新宿皮膚と心の診療所では、日本睡眠学会ガイドラインで推奨されている治療アルゴリズムに沿った治療方針を患者様に提案しています。

※不眠症の治療アルゴリズム「厚生労働省科学研究班・日本睡眠学会ワーキンググループ:睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」

  1. 症状把握
  2. 治療の要否判定
    患者さんへの問診を通じて、睡眠の状況を伺い、治療の必要性の有無を判断します。
  3. 睡眠衛生指導
    具体的な治療をスタートする前に、良質な睡眠を確保するために、患者さん自身が行う生活の中での改善点などをお伝えします。
  4. リスク評価
    お薬での治療に際して、長期服用に陥りやすいようなリスクがないか判断します。
  5. 薬物療法
    患者さんの睡眠の状態に合わせて、お薬の組み合わせや量を考慮したオーダーメイドでの処方をおこないます。
  6. 認知行動療法
    お薬を服用すること以外方法での治療を行うこともあります。
  7. 不眠の再評価
  8. 維持療法
    薬物療法と認知行動療法の効果を確認しながら、段々をお薬を飲まなくても良いような治療へと移行していきます。
  9. 休薬トライアル

おくすりによる治療

生活習慣や環境の改善を行っても効果が出ない場合は、睡眠薬による薬物療法を行います。

寝つきが悪い、途中で起きてしまう、早くに目が覚めてしまう、などの不眠症状に応じて、睡眠薬が使用されます。また、ほかの病気を原因として睡眠障害が現れている場合などは、睡眠薬以外のお薬を一緒に処方することも多くあります。
睡眠薬は絶対にお酒と一緒に飲んではいけません。睡眠薬を服用したら30分以内には寝床につきましょう。服用していた睡眠薬をいっぺんに中止すると、リバウンドで不眠が悪化することがあります。
医師の指示のもと、医師に指示された用法や用量を守って、正しく使用しましょう。

認知行動療法

認知行動療法とは、これまでの眠りに対する思い込みや強迫観念や習慣を改善していく治療です。
慢性的な不眠に悩まされている患者さんの中には、眠ることに執着してしまいすぎて、眠らなくてはいけないという強い思いから寝室に行くだけで不安を感じたり、過度に緊張することで反対に眠れなくなってしまうようなケースが見られます。
またむりやりにでも寝ようと眠っていない時も長時間寝床で過ごしてしまい、かえって睡眠の質を低下させてしまうような場合など、それぞれの患者さんの睡眠の質を改善するためのアドバイスを行っていきます。

治療費目安

初診・再診料のほか以下のような治療費がかかります。

通院精神療法として1,000円程度(3割負担の場合)
処方箋の発行料として200円程度(3割負担の場合)
※別途お薬の代金は薬局にてお支払いください。
カウンセリング料(来院)15分:2750円(税込)(自費診療)
※お話をする他にマインドフルネスによるメンタルケアも行います。

院長より

ただの睡眠不足や眠れないだけだと、不眠を決して侮らないでください。
不眠は様々な心身の不調から引き起こされていることも少なくありません。精神的なストレスや不安、抑うつなどがその代表で慢性的な不眠症の患者さんの、1/3から半数程度は、何かしらの精神的な疾患を持っているとも言われています。
またリウマチや湿疹や蕁麻疹などの痛みや痒みを伴う疾患、喘息発作や頻尿、花粉症などの病気によって不眠が引き起こされていることも多くあります。そしてアルコールやたばこ、コーヒーのような日常的に摂取する嗜好品が不眠を助長することもあります。
安易に睡眠薬を処方するだけの治療では、慢性的な不眠が改善できず、その原因となる病気を悪化させてしまうかもしれません。
不眠でお悩みの方、不眠治療をどのように行っていけばいいか不安な方、現在治療中であるが経過が思わしくない方など、不眠でお困りの方はお気軽に新宿皮膚と心の診療所へご相談ください。

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