発達障害

発達障害とは

発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。

発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。 同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。

自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症は病気というよりも、持って生まれた「特有の性質」(特性)いえるかもしれません。

コミュニケーション能力が乏しく相手の立場に立って気持ちを理解したり、相互的なやりとりが苦手でありその場になじむことや、場の空気を読むことが不得意です。

頑固さや独自のこだわりが強く、興味を持った者にはのめりこむが、興味がないことには反応を示さず、日々の行動のルーティンが決まっており、生活のリズムの変化を嫌がったり、予期せぬことが起こった時にパニックになりやすい傾向もあります。 自閉スペクトラム症症例の大半における具体的な原因はいまだ解明されていないが、遺伝的要素が強く関係していると考えられている。

注意欠如・多動症(ADHD)

ADHDは「Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder」の略で、日本語では「注意欠如・多動症」と訳されています。勉強や仕事に集中し続けることが難しい、じっとしていられない、感情や欲求のコントロールが苦手などの特徴があげられます。仕事でケアレスミスや物忘れが多かったり、職場の人間関係がうまくいかずうつや適応障害で悩まれている方はADHDが原因だという可能性があります。

注意欠如・多動症(ADHD)の原因

ADHDは行動等をコントロールしている神経系に原因がある脳の機能障害、特に前頭葉の働きが弱いことが関係していると考えられています。

前頭葉は脳の前部分にあり、物事を整理整頓したり論理的に考えたりする働きをします。ADHDの人はこうした注意集中や行動制御の機能に何らかの偏りや異常があり、前頭葉が うまく働いていないのではないかと考えられています。

学習症(学習障害)

知的な発達に遅れはないにも関わらず、読みや書き、計算などある特定の課題の習得だけが、他に比べてうまくいかない状態を指しています。

  • 読字障害(ディスレクシア)/読みの困難
  • 書字表出障害(ディスグラフィア)/書きの困難
  • 算数障害(ディスカリキュリア)/算数、推論の困難

の3つに分類されます。
苦手分野以外の知的能力に問題が見られないことが多いため、学習障害は発達障害の中でも判断が難しい種類の障害です。単なる苦手分野だと判断され、大人になるまで気づかれないことも多くあります。
学習障害の原因は完全には解明されていませんが、先天性の脳の機能障害ではないかと考えられています。

チック症

不規則で突発的な体の動きや発声が、本人の意思とは関係なく繰り返し起きてしまう疾患。
運動性チック症、音声チック症があり、本人の意思とは関係なくまばたき・顔をしかめる・首を急激に振るや発声、咳払い、鼻を鳴らす、舌を鳴らすなどを繰り返すといった状態が一定期間続きます。
子供に多く見られ一時的に出現して2~3カ月で消えていく場合と、軽くなったり重くなったりして何年か続く場合があります。

吃音

吃音(きつおん、どもり)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。話を始めるときに最初の一音が詰まったり、同じ音を繰り返したりします。

発達障害の原因

生まれながらに脳の一部の機能に問題があることが原因と言われています。しかし未だに発達障害を生じる正確なメカニズムや原因はわかっていません。

発達障害の治療

いずれの発達障害も完治させることは非常に難しいです。そのため、何より本人が社会生活を送りやすくなるように周囲がサポートしていくことが大切です。

大人の発達障害など二次障害によって、様々な精神症状が現れている場合は、その症状に合わせた治療薬を処方します。 そのうえで眠れない場合は睡眠薬。抑うつ症状や不安症状には抗うつ薬。過剰な興奮や幻覚幻聴が見られる場合は抗精神病薬などが処方します。

心療内科・精神科・メンタルケアの病気

タイトルとURLをコピーしました